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2006.02.08

花々と星々と

テーマ:オススメの本 - ジャンル:本・雑誌
20060208224825


「花々と星々と」犬養道子著 中公文庫

読み進めたくてページをめくるのだが、その手が迷う。ああ、この物語を読み終えたくない。でも早く続きが読みたい・・。ひさしぶりにそんな気分になった本だった。私は小説かと思っていたのだが、アマゾンなどでは個人伝記やノンフィクションのジャンルになっていた。これが事実であるとしたら、なんと哀しいことよ・・。

私の尊敬する犬養道子さんは1921年、5・15事件で暗殺された犬養木堂首相の孫であり、元法相犬養健氏の長女として生まれた。望むと望まざるにかかわらず、当時いくつかの社会的に大きな事件に巻き込まれる。日本が軍部主導で中国に侵攻し、太平洋戦争へとすすむ大きな波に呑まれそうになっていたときに、その波の防波堤になろうとしたのが犬養首相だった。彼が自分の命をなげうってもそれを止めようとした悲壮な決意も結局は泡と消えてしまったのだが・・。そんな昭和秘史を彼女は木堂の秘蔵っ子だった立場で、日常生活から政治までを淡々と彼とのエピソードを交えながら書き綴っている。自身の父親も14歳で無くし、貧窮困苦のうちに成長した彼は家族というものと縁が薄かった。妻にも大事にされずに、家でもあまり身の置き所の無かったエピソードは心から気の毒であった。そんな彼が死を決意したときに孫娘のためにはじめて遺品となるだろうものを残すシーンは本当に胸がつまった。また道子の母、仲子さんは暗殺時舅と一緒にいたが、「舅を守らず自分だけ助かった嫁」として生涯責められることは不憫というしかない。光と影。一見華やかに見える花々、星星は影があるからこそ光輝くのだろうか。

またこの本のもうひとつの特色はまだ健氏が政治の世界に入る前、白樺派の末期で、川端康成や横光利一などとともに新進作家としてデビューしたころの大正文化時代の一断面を丁寧に描いているということである。そこには、志賀直哉、武者小路実篤、長与善郎、芥川龍之介、岸田劉生などが生き生きと描かれている。

「ある歴史の娘」は5・15事件の後の道子氏の自伝だそうだ。ああ、これも読まなきゃね。
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COMMENT

懐かしい・・・

中学生の時に読んだようなおぼろげな記憶があります。
懐かしいけれど内容が思い出せない・・・(汗)
図書館で借りて読み返してみよう。
自力では思い出せない本でした。agatheさんありがとう。

2006.02.09 | URL | アプリコット #Q.zvybpY [ 編集 ]

アプリコットさん、

中学生のときに読んだなんてすごい!私もよく読んだ内容すっかり忘れてしまいます(笑)
いい本は何度読んでも新しい発見がありますね。特に若いときよりもいろいろ人生経験を積んでからだと、また新しい見方ができて面白いと思いますよ。

2006.02.09 | URL | agathe #- [ 編集 ]

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